日和ズム
"日和ズム" Start!
1、"それが彼女"
日和「るんらら〜♪」
健二「今日は一段とポンコツだな……」
日和「さっちゃんはね〜♪」
健二「さっちゃんは?」
日和「バナナっていうんだホントはね〜♪」
健二「……それは違うぞ」
一瞬何の違和感もなかった自分が恐ろしい。
2、"大人への階段"
日和「えぇ〜〜〜〜っ!? そうなの〜〜〜!?」
清香「あったりまえじゃないもうっ! あんたいくつになってそういうこと言うわけ!?」
健二「どうした?」
日和「ふぇ〜ん……けんちゃん聞いてよぉ……清香ちゃんがねぇ、わたしが生まれてこのかた一度も信じて疑うことのなかった自然現象を一言の下にあっさり切り捨てたの〜〜」
清香「…………」
健二「長いし不必要に難しい言葉を使わんでいい……で? 日和センセイの信じていたどんな定説が否定されたんだ?」
日和「ぐっすん……あのねぇ、赤ちゃんはコウノト」
健二「それ以上言うな」
怖いから。
3、"日本語練習帳"
健二「よぉ日和、元気か?」
日和「うん、いかんせん元気だよぉ〜」
健二「……これから、ヒマか?」
日和「あながち忙しくはないよ〜」
健二「……じゃあ、一緒に帰ろうぜ」
日和「うん、微妙にいいよぉ」
健二「…………そうだ、今度の日曜日、遊びに来ないか?」
日和「え? まさしくいいの?」
健二「……ああ、大歓迎だ」
日和「わ〜い、じゃあさりげなく遊びに行くね〜」
健二「なんかおみやげ持ってこいよ」
日和「やだ」
健二「そこだけ正常!?」
4、"続・日本語練習帳"
キーンコーンカーンコーン……
健二「チャイムだな……」
清香「そうね……」
とことことこ……たたたたたたっ! がらっ!
日和「はー、はー、はっ、ふぅ、ふぅ……遅れてすみません〜〜」
…………
日和「けんちゃん、おはよう……」
健二「お前、今何時間目の始まりだと思ってる?」
日和「……三時間目」
健二「分かってるなら時間に合わせた挨拶くらいしたらどうだ?」
日和「え?」
健二「どう考えてもおはようって言われる時間帯じゃないだろ? さあ、もう十二時近い今するべき挨拶は」
日和「えっ? えっ? そんな、急に言われても〜」
健二「悩むところか……?」
日和「えっと、えっと、うーん……はにゃ〜」
健二「…………」
日和「えーと、んと…………あっ、分かったよ!」
健二「どうぞ」
日和「おはようございましたっ!」
こいつの頭の中が見たい。地球上のどんな光景よりも。切実に。
5、"神よ彼女を救いたまふ"
教師「早坂、今回のテストはずいぶん頑張ったみたいだな」
日和「えっ? そうですか?」
教師「ああ、なんとクラス最高点だ」
健二「なにっ!?」
清香「なんですって!?」
日和「せ、先生そんな……大声で言わなくても……」
教師「いや、これは誉められるべきことだ。みんなも早坂を見習って努力するように」
日和「え、えへへ……」
健二「なんてこった……」
清香「一大事だわ……」
健二「俺たちとしたことが……おい清香、なんでこんなことになった!?」
清香「私だって知らないわよっ! それにしても、あの子がここまでやるなんて……」
健二「こんな日が来ることになるなんて…………」
日和「るんらら〜♪ 見て見て〜、けんちゃん。最高点だって〜」
健二「うっ……参った」
日和「清香ちゃ〜ん」
清香「……分かったわよっ! 驚きました。負けました。これでいい!?」
日和「わ〜い」
日和「っていう夢を見たの」
健二「清香、分かってるな」
清香「ええ」
日和「えっ(汗)」
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